夜明けのオクターブ

本のある風景を集めて

【積読崩し789】「ドルチェ・ヴィスタ」シリーズ

読了日:8/4

それでも君が―ドルチェ・ヴィスタ (講談社ノベルス)それでも君が―ドルチェ・ヴィスタ (講談社ノベルス)
(2002/02)
高里 椎奈

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お伽話のように―ドルチェ・ヴィスタ (講談社ノベルス)

左手をつないで

おそらく、2、3年積んでたであろうシリーズ。

読みたいと思った時にすでに出版社在庫なしの状態で、古本屋を一生懸命探してそろえたのに、そのまま積んでました…!!

「それでも君が」、「お伽話のように」、「左手をつないで」の全3巻。

1巻目は講談社ノベルスの「密室本」という企画だったので、袋とじになっていました。中古で買ったので、買ったときに袋とじは開いていたのですが、良いですよねぇ、袋とじ…。予算の関係もあり、最近は全然見なくなりましたが、ロマンですね!!袋とじと聞くだけでわくわくします…!!

一応ネタバレにならないよう書いていますが、続きから感想です。


「それでも君が」

シリーズの核となる世界を描いた幻想的な物語。独特の設定に慣れるまで少し時間がかかりますが、31人しかいない閉ざされた世界という「密室」の真相、そしてラストは衝撃でした。

「お伽話のように」

1作目とは打って変わって、現代と思われる世界で1作目の「彼」を中心にしたお話。突然変わった雰囲気に戸惑いましたが、少しずつ少しずつ明かされていく真実と、どこか不思議な世界が描かれています。修理屋という設定も面白い。

「左手をつないで」

2作目から大きな存在感をはなっていた「彼女」の謎、そして「ドルチェ・ヴィスタ」の始まりが明かされる完結巻。全部に納得はできない気もしますが(私が読みとれないだけか?)、色々はりめぐらされた伏線がひとつになって、始まりへ戻ってくるラストはキレイで、さすが高里さんだなぁと思いました。

幻想的な、残酷でだけど優しい世界で過ごした彼らが、どうか帰る場所を見つけられますように、と思わずにはいられませんでした。

あ、そういえば、3作目のあらすじが、1作目のネタバレを含んでいるので、未読の方は読む際に気をつけて下さい!!裏表紙にネタバレはちょっと怖い!あと、シリーズの順番を間違えると色々大変なので、それもお気をつけを。

言ってはいけない気もするけれど、2、3巻のボスが、某運命アニメのピンク髪の医者に見えてしかたがない…!