夜明けのオクターブ

本のある風景を集めて

「さよならチョコレート」

さよならチョコレート (花とゆめCOMICSスペシャル)さよならチョコレート (花とゆめCOMICSスペシャル)
(2012/01/20)
音久無

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「花と悪魔」から好きだった音さんの初短編集。

「花と悪魔」は、かなり長く続いていたのでどう終わるかが心配だったのですが、とてもきれいに終わってくれたので大好きなシリーズになりました。あの終わり方は素晴らしかったと思います!

「ヒトサンマルマル」と「さよならチョコレート」は音さんでは珍しく現代の高校生のお話。少し絵が古いかんじですが、音さんらしい可愛くて少し不思議なお話です。

私が特に好きだったのは、「夏眠日和」と「三島古書店浪漫譚」。

「夏眠日和」は1年の4分の3が夏になり、夏になると眠くなる夏眠症という病気が生まれた世界。日本のような近未来のような不思議な世界での、高校生の小雪ちゃんと小説家の弓削先生の可愛らしい物語。

「三島古書店浪漫譚」も近代のような現代とは異なる世界でのお話。着物にひらひらエプロン、そして古書という俺得設定にうきうきしてしまいました。「くおんの森」のように、不思議のつまった本が描かれます。

なんというか、私が文章にすると全然良さが伝わらないのですが、表紙とタイトルのセンスにびびっときたら是非手にとって欲しい本です。可愛いお話が読みたい方も是非。