夜明けのオクターブ

本のある風景を集めて

図書館小説まとめ 現代篇

続いて現代篇。

私が近代文学専攻のため、海外小説は除外しています。

とても長いのでご注意ください。


図書館の出てくる現代小説

*現代は戦後から現在までを指すこととします

<村上春樹>

村上春樹「図書館奇譚」(『トレフル』昭和52年6月~11月)

村上春樹街と、その不確かな壁」(『文学界』昭和55年9月)

村上春樹風の歌を聴け』昭和55年7月、講談社

村上春樹中国行きのスロウ・ボート』昭和56年5月、中央公論新社

村上春樹羊をめぐる冒険』昭和58年10月、講談社

村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』昭和60年6月、新潮社

村上春樹海辺のカフカ』平成14年2月、新潮社

村上春樹『ふしぎな図書館』平成17年5月、講談社(「図書館奇譚」を改稿したもの)

村上春樹1Q84 BOOK1』平成21年5月、新潮社

<パラレルワールド>

山形石雄戦う司書と恋する爆弾』平成17年9月、集英社スーパーダッシュ文庫

有川浩図書館戦争』平成18年3月、アスキー・メディアワークス

紺野キリフキ『ツクツク図書館』、平成20年2月、メディアファクトリー

三崎亜記「図書館」(『小説すばる』平成20年10月)

桧山直樹『ブック×マーク!』平成20年12月、小学館ガガガ文庫

折口良乃『死想図書館のリヴル・ブランシェ』平成21年4月、電撃文庫

竹雀綾人『少女と移動図書館』平成23年5月、集英社スーパーダッシュ文庫

隼川いさら『リーディング 司書と魔本が出会うとき』平成23年7月、ビーンズ文庫

*漫画

高尾滋「不思議図書館」(『花とゆめ一三号』平成8年)

釣巻和『くおんの森』平成21年1月、徳間書店  *「森」は「木」が三つではなく「本」が三つ

芳崎せいむ『鞄図書館』平成21年8月、東京創元社

赤星治人『永遠図書館』平成23年8月、講談社

<主人公としての司書>

法月綸太郎法月綸太郎の冒険』平成3年11月、講談社

森谷明子『れんげ畑の真ん中で』平成17年3月、東京創元社

門井慶喜『おさがしの本は』平成21年9月、光文社

*漫画

林みかせ『青色図書館』平成17年10月、白泉社

西烔子『姉の結婚』平成23年5月、小学館

篠原ウミハル『図書館の主』平成23年8月、芳文社

幸村アルト『六百頁のミステリー』平成23年8月、白泉社

埜納タオ『夜明けの図書館』平成23年10月、双葉社

<学校図書館>

三浦しをん『秘密の花園』平成14年2月、マガジンハウス

恩田陸「図書室の海」平成14年9月、新潮社

瀬尾まいこ『図書館の神様』平成15年12月、マガジンハウス

桜庭一樹青年のための読書クラブ』平成19年6月、新潮社

皆川博子『倒立する塔の殺人』平成19年11月、理論社

長嶋有『ぼくは落ち着きがない』平成20年6月、光文社

山本渚『吉野北高校図書委員会』平成20年8月、メディアファクトリー

*漫画

柊あおい耳をすませば」平成2年2月、集英社

玉川重機『草子ブックガイド』平成23年9月、講談社

*関連;本に関する本

大崎梢『配達あかずきん』平成18年5月、東京創元社

三上延ビブリア古書堂の事件手帖』平成23年3月、アスキー・メディアワークス

芳崎せいむ金魚屋古書店』平成16年12月、小学館

久世番子暴れん坊本屋さん』平成17年9月、新書館

磯谷友紀本屋の森のあかり』平成18年6月、講談社

野村美月“文学少女”と死にたがりの道化』平18年4月、ファミ通文庫

橋本紡『九つの、物語』平成20年3月、集英社

多崎礼『〈本の姫〉は謳う』平成19年10月、中央公論新社

三雲岳人『ダンタリアンの書架』平成20年11月、スニーカー文庫

ここまでが、一応私の卒論で扱ったものです。

村上春樹パラレルワールド、主人公としての司書、学校図書館と分類しました。それぞれの詳細を書きだすと長くなってしまうのですが…。パラレルワールドは、その通り異世界を舞台にしたものやどこか現実とずれた世界で描かれる図書館です。主人公としての司書は、近代では主人公になることのなかった司書が主人公として、働く側から描かれる図書館です。ミステリや、ブックガイドを含むものが多い傾向にありました。最後の学校図書館は、ほとんどが高校の図書館、図書室を舞台に描かれています。青春小説のような明るいものと、暗くて閉鎖的なものとに分かれるように思われます。

村上春樹だけ分けたのは、卒論で扱った際に、現代よりも近代よりだったからです。近代を「自分」と「世界」の関係とし、現代を「自分」と「他者」の関係と分けたのですが、春樹の図書館は近代よりなのでした…。春樹の小説には、図書館がかなり重要な役割を果たすものが多く、特に「海辺のカフカ」や「ふしぎな図書館」は本好きなら一読の価値があると思います。


その他、卒論で使いきれなかった、および読みきれなかった図書館小説。

〈小説〉

赤川次郎『殺人を呼んだ本』

有川浩阪急電車

石和青『オレンジ分館のすてきなクエスチョン』

江國香織冷静と情熱のあいだRosso』

恩田陸『麦の海に沈む果実』

恩田陸『月の裏側』

恩田陸「手紙」(『光の帝国 常野物語』収録)

柏葉幸子『つづきの図書館』

紀田順一郎『第三閲覧室』

東逸子『翼の時間』

平野啓一郎『決壊』

緑川聖司『晴れた日は図書館へ行こう』

山本弘『詩羽のいる街』

<ライトノベル>

小松由加子図書館戦隊ビブリオンコバルト文庫

時雨沢恵一「本の国」*(『キノの旅Ⅱ』収録)電撃文庫

<漫画>

河路悠『幻境図書館』

竹本泉『あかねこの悪魔』

萩尾望都『11人いる!』

山名沢湖レモネードBOOKS

渡瀬悠宇ふしぎ遊戯

現代のものはもっともっともっとあるはずですが、さすがに集めきらなかった…。ほとんどが平成のものですし、もっと広範囲で集めなきゃいけなかったんですけどね…。卒論の規定が12000字だったのですが、最終的に18000字になってしまい、頑張ったのですが力尽きましたorz そして、これだけのものを挙げたので、文末脚注と参考文献がきもちわるいことになってました(笑)

卒論の題目が決まってから、本屋や古本屋に行くたびに図書館の載ってる本を探し求めたせいで、家の本棚の一角に図書館本コーナーが出来上がっています(笑)もともと書店や図書館が出てくるお話は好きなので、これからも細々と集めていこうと思います。

そして、改めまして、図書館小説探しにご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました!!!

また、これ忘れてるよ!というのがありましたら、コメントなどで教えていただけると嬉しいです^^