夜明けのオクターブ

本のある風景を集めて

【積読崩し1】源氏物語ものがたり

源氏物語ものがたり (新潮新書)源氏物語ものがたり (新潮新書)
(2008/10)
島内 景二

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積読崩し1冊目です。

私、この本を新刊の時に買ったはずなんです。でも、ずっと前から本棚にあるなぁ、と思って読む前に奥付を見たら……2008年10月。ぴったり5年前でした。お、恐ろしい…。

間違いなく、今回リストにした本の中で一番積んでた本でした。読めて良かった…!

2008年(当時)、源氏物語千年紀で盛り上がってる中、刊行された(はず)の本。

源氏研究に貢献した藤原定家、四辻善成、一条兼良、宗祇、三条西実隆、細川幽斎北村季吟本居宣長、アーサー・ウェイリーの9人のものがたり。

連載をまとめたものらしいので、しょうがないかなと思うけれど、予想よりもあっさりでした。各人の生涯をまとめたという訳でもなく、あくまで源氏から見た評価、功績中心です。ただ、口絵裏の略歴くらいはもう少ししっかり書いてくれてもいいのでは、と思いました。さらりと流したかと思うと、突然マニアックな話題になるので、正直読みづらかったです。かと言って、源氏の知識がある人が読むと退屈な気がします。

日本文学とは源氏物語だ、と言わんばかりの(実際言ってた)礼賛が全体を通して続くので、源氏に詳しくも好意的でもない私には微妙でした。私に源氏の知識も日本史の知識もないからかしら…。

荻原さんの源氏を読む前に、と思って読んだのですが、うむむ…。

私は源氏は教科書でしか読んだことがなく、現代語訳も読み通したことがないのです…。いつかは読んでみたいなとは思ってるので、おすすめの訳、関連書などありましたら是非教えてくださいませ。あ、森谷さんの「千年の黙」は面白かったです。

高校生の頃、古典はたくさん読んでいたくせに、古今と枕と日記文学ばかりに偏っていたので、源氏は全然わからないのです…。今思うと、白氏文集読んでた女子高生ってすごいですね(笑)

枕だと田辺聖子さんの「むかし・あけぼの」が素晴らしいです。「王朝懶夢譚」とか「舞え舞え蝸牛」とかも。田辺訳で源氏も読んでみようかな…。